平成30年度3月配信「食の安全」2~3歳

東日本大震災以降、原発事故による放射線をめぐり、さまざまなところで食の安全について話題になることが多くなってきました。
放射性物質と内部被ばくの関連についてもご質問を受けることがありますが、その正しい回答を持っている人は、恐らく誰もいないと思います。

なぜなら、放射性物質という見えない物質が、どの位の量でがんを発症させるのか、また、被ばくについての明確なエビデンスがないからです。

そのため、ICRPの指針に従い、推測されるリスクを考え決定されたのが、現在の国の決めた基準値です。
そして、市場に出回っているものは、その基準値を下回っています。

平成24年4月1日から新たに施行された基準では、食品からの線量の上限を1ミリシーベルト/年とし、一般食品から検出される放射性セシウムの基準を100ベクレル/kgとしました。
基準値の設定の仕方等詳しい情報は、
政府広報オンライン「存じですか?食品中の放射性物質の基準値は、子どもたちの安全に特に配慮して定められています」をご覧下さい。
>>詳細はこちら

内部被ばくを恐れる理由は、放射性物質が発がん性を持つからだと思いますが、
ここで今いちど食の安全について考えてみましょう。

食に関することで安全性が問われる理由は、心身に対して害を及ぼす影響があるからです。
例えば食中毒や、着色料・保存料・合成甘味料などの食品添加物、BSE,農薬、放射性物質、遺伝子組換食品など、体への害を懸念されるものはたくさんあります。

例えば、食物とがんの関連について考えてみます。

がん発生のしくみについて、全てが解明されている訳ではないですが、遺伝子の損傷や複製エラーによる突然変異と、細胞増殖の制御システムを乱すプロモーション作用が段階的に起こることで発生します。
遺伝子の中にはがん抑制遺伝子が存在するため、細胞が変異しても、がん抑制遺伝子ががんの発生を抑制しています。
この抑制遺伝子の働きには個人差があり、発がん物質を分解したり、または代謝活性化する酵素の働きも、同じ日本人でも違います。
そのため、同じ生活をしていても、がんになる人とならない人がいるわけですね。

WHOが2003年に発表した「食物、栄養と慢性疾患の予防」によれば、食物でがんとの関連が確実と言われているのは、カビ毒のアフラトキシンです。
また、肥満は食道がん、結腸がん、直腸がん、乳房がん、腎臓がんのリスクを上げる事が確実と言われており、野菜や果物の適正な摂取は、口腔がん、食道がん、胃がん、結腸がんのリスクを下げることも、おそらく確実といわれています。

野菜や果物には、抗酸化作用があるものが多く、また、免疫細胞の数を増やしたり、活性化したりする作用があります。
例えば、ぶどうに含まれるアントシアニンや緑茶のカテキンなどのポリフェノール類や、トマトに含まれるリコピンなど、強い抗酸化作用を持つ物質や、また、きのこ類に含まれるβグルカンや、人参やかぼちゃなどに含まれるβカロチンには、免疫力を高める作用があることも明らかになっています。

アフラトキシンは、ピーナッツ及びピーナッツバターなどの加工品、トウモロコシ、ハト麦、そば粉などの穀類及びその加工品、ナツメグや白コショウなどの香辛料、ピスタチオ、製あん原料雑豆、ナチュラルチーズなど多くの食品から検出し、国や都で行政的に対応しています。
しかし、検出されたものの大半は微量であり、直ちに人の健康に影響を与える心配はない量です。また、アフラトキシンが検出されたものはすべて輸入食品であり、国産品からは検出されていません。

例えば、放射性物質の汚染を恐れるあまり、野菜や海草の摂取量が低くなってしまったら、それはかえってがんのリスクを上げることにつながるかもしれません。
野菜に限らず、食べるものが偏った生活を続けていると、糖尿病や高脂血症などの生活習慣病のリスクがあがったり、こどもの場合は成長に必要な栄養素が欠けたりしてしまう可能性もあります。

発がん性の懸念のあるもの全てを気にして排除しようとすることは、今の日本では困難です。

また、情報に振り回され、過度なストレスをためることでも発がんにつながる場合もあります。
ストレスは活性酸素を増やし、細胞を傷つけてしまうこともあるからです。
また、過度なストレスは、発がんよりも心を病む原因にもなってしまいます。

私達は、大気汚染、水問題、食品問題、放射性物質などの環境汚染の問題と引き換えに、利便性や衛生的環境、先進医療技術などを手にしました。
では、自然環境のよい昔の方が健康的に長生き出来たかといえば、そうではありません。江戸時代の平均寿命は35歳、大正から昭和にかけては45歳といわれています。
昭和初期では、1/2の確率で65歳以上まで生きられませんでした。

これが戦後、急速な復興過程において,医学、薬学、医療技術などの進歩、栄養改善、公衆衛生の発展等により,平均寿命は年々急速な伸長をみせ、平成28年の日本人の平均寿命は、男の平均寿命は80.98 歳、女の平均寿命は87.14 歳です。

平均寿命が上がったのは、医療や公衆衛生の発展だけではありません。
交通網が整備され、通信手段の向上や、食品の輸出入など、社会全体が発展したことも重要な要因です。

現代に産まれた限り、私達は環境問題を含む、様々な発がん性物質と共存していかなければいけません。
家庭により、地域性、経済状態、家族をとりまく環境はそれぞれであり、食品について、何をもって安全とするかは、各家庭、個人の基準によります。

よく分からない情報というのは、不安を感じやすいものです。

不安を解消するためには、まず、知る事です。
確証のない情報に惑わされず、信頼性のある情報を収集し、自分で考え、選択していくことが、漠然とした不安を解消する手立てになるのではないでしょうか。

内閣府 食品安全委員会
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厚生省 食品添加物のページ
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国立がん研究センター がん対策情報センター
「科学的根拠に基づくがん予防」
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